舞台 ひめゆり
ずっと書きたいと思ってた舞台『ひめゆり』の感想。
伊豆旅行の翌日に行きました。
内容に関しては日本人であればだいたい推測ができるでしょう。
ひめゆり学徒隊のお話であり、登場人物の中には実在した人物もいます。
ガッツリ戦争ものなんですが、実を言うと私、戦争ものは苦手なんです。
だから本や映画も避けていました。
興味がない、嫌い、というわけではなく物心ついた頃から戦争=おそろしいものという印象がありました。
原因は大人になった今でもわからないけど超ビビリであることが原因でしょう(笑)
話を戻しまして。
何故今まで避けてきた戦争ものを見る気になったかというと主演がはいだしょうこさんだったから。
あと木村花代さんという元劇団四季の役者さんも出演されるので気になってしまい観劇することにした。
結果…
よくわからなかった←
誤解がないように言わせてもらうと内容を批判するつもりはない。
しかし明らかな不満はある。
それは、席が最悪だったこと。
5列目の端側だったんだけど、前の人がまぁー動く!
前と前がちょうど私の視界を覆うものだから舞台がほとんど見えず、歌だけを聞く感じに…。
せっかくのS席だったのに損した気分になった。
これは劇場の問題もあったからかもしれない。
前の席と少し高低差があれば解決したかも。
それでも戦争の無念さや悲しみはちゃんと伝わってきた。
特に小野田龍之介さん演じる滝軍曹が辛い役だなぁ、と。
言い方が悪いけど鬼のような、血も涙もないような酷い人間。
けど、彼は彼でかつては心優しく、祖国を純粋に思う気持ちがあった。
それが戦争によって大切な家族を失って、いつの間にか心を病んでしまったというのが伝わってきた。
対称的に木村花代さん演じる上原婦長はどんな時もブレない人。
女性だから武器を持って戦ったわけではないけれど、滝軍曹のような有無を言わせず周囲を震えさせてしまうような軍人を時には叱りつけ、そして励ます強さを持った人。
美談として言うのではなく、鬼のような男にまくしたてられたらノイローゼになりますよ、普通は。
しかも、当時の看護婦は病人の酷い有様を目の当たりにしてきたわけだろうし、本当に強かったからこそ、精神的強さよりもさらに上の己の信念の強さを体現できたんだと思う。
彼女がいたからこそ多くの人が救われた。
命だけでなく、あの時代心を救ってくれる存在ってどれだけありがたかっただろうか。
いろんな人間がこの舞台では登場する。
みんなが皆、一種の洗脳状態にあったように感じるし、物語の終盤、生き残ったものも、逝ってしまった人も洗脳から解けて己という個人に戻ったように感じる。
そんな時代をこの舞台を通して垣間見れて、今の時代に生きる私が自由に生きなくてどうすると思ってしまった。
現代の人も周りの意見に左右されて己を消そうとする。
人と違う行動をする人がいれば非難する。
せっかく豊かになった時代なのに心の成長がないままでは先人に申し訳ない。
この豊かになった時代で自分ができること、自分らしく生きることを少し学んだ気がする。
セリフ全てが歌の音楽劇は少しなれなかったし、大満足とはいかなかったけれど行ってよかった学びのある舞台でした。