本来無一物

本来無一物

時に極端に、時にふらふら〜と生きている日常を綴ってます。

インドかぶれ

インド旅行記の本にハマっています。
実際行くとなると治安の悪さに辟易しそうで行きたいとも思わないんですが。
だけど行った方々のエッセイを読むのは大好きで。
インドに行くと人生が変わるような体験をされる方がものすごく多いからそれだけ魅力あふれる国なんだろう。
起こる出来事が日本とはかけ離れていて、筆者のハラハラドキドキがこちらまで伝わってくる。
時には感動し、時にはうんざりし、何よりワクワクする。
子どもみたいな気分になれますね。

インド旅行記で一番好きなのは女優、中谷美紀さんのエッセイ。
30歳の年に、仕事にうんざりした中谷さんが人生観を変えるために単身インドに訪れるところから始まり、その度胸と勇気に何度惹きつけられたか!
お腹を壊した話、パスポートを盗まれた話、ぼったくられた話、ちいさな子供に騙された話。
女優が経験するにはハードすぎることを赤裸々に書いてらっしゃる。
中谷さんのツッコミもまた人間的で面白い。

行ったこともないのにこんなことを言ったらなんだけど、インドはとにかく汚いらしい。
そりゃ世界遺産ともなれば美しいんだろうけど(タージマハルとかね)、人々の日常は大都市であれ辺境であれ、日本の衛生状態とは一線を画す。
比較的穏やかな気候の日本と違って朝夕では気温差が半端ないし、日中の照りつける太陽は火傷もの!
他のエッセイを読んでもシャワーのお湯がでないのは当たり前でトイレ事情はとにかく酷い。
外を歩けば日本人はいいカモで現地人にぼったくられる・・・。
私が読んだ本がたまたまそういう内容だったのか?

とにかく日本がどれほど豊かで恵まれているかわかります。
本でさえそうなんだから実際行ってみるとものすごくカルチャーショックがあるだろうし、何より学びがあるんだろうなぁ。

だからと言ってインドは劣悪な国かと言えば決してそうではない。
日本にはない豊かさがあり、それは大きく精神的なことなんだと思う。
私は物事を狭く考えがちだけど、インド旅行記を読めば世界はこんなにも広いんだなって視野が開ける。
私の悩みはこんなに小さかったんだ!なんてことは本を読んだくらいじゃ思いません。
ただ『気づき』はあるんですよね。
あ、私は恵まれてるんだ、って。
ちいさな恥が積み重なって、劣等感になって、自信喪失する。
それが私の今までのパターンだけど、それって私の世界だけの話で。
アドラーじゃないけど、自分の顔を気にしているのは自分だけって話ね。
簡単に言っちゃえば勝手に妄想して勝手に自信喪失しているだけなんだって思えるのよ。

私が選ぶ本がそうなのか、インドに単身訪れる人ばかりだから、『孤独』と真摯に向き合っている方が本当に多くて。
だからこそ現地人の温かさに心から感謝しているのも伝わってくる。
『殻にこもる』事と『孤独』は全く違うってことを学ばせてもらいました。


こんな学びを与えてくれるインド旅行記が大好き。
何度読んでも飽きません。