ふと口ずさんでしまったアンパンマンマーチ
『何が君の幸せ?
何をして喜ぶ
わからないまま終わる
そんなのは嫌だ!』
日本中のほとんどの人間が歌ったことのある『アンパンマンマーチ』。
けれどあまりに幼少期の記憶なので私は間違った歌詞で覚えていたことをつい最近まで気づかなかった。
正しい歌詞は上に書いてある通りなのだけど私は、
『何億分の幸せ?
何をして作るのか
わからないまま終わる
そんなのは嫌だ!』
・・・だとずっと間違って覚えていた。
だから正しい歌詞を見て驚いた。全然違うじゃん!って。
ていうかこれほど有名な歌詞を10数年間間違っていた私もどうかしている。
改めて正しい歌詞を知って、本当に素敵な歌だと思った。
一番は『何のために生まれて 何をして生きるのか』っていう自分のための歌詞。
二番は『何が君の幸せ 何をしてよろこぶ』っていう他者のための歌詞。
世界は自分一人では回っていないということを伝えているとともに、この世界の一員として自分自身しっかり生きていかなければいけないと伝えている気がする。
10代の頃は自分よりも他者を優先せざるを得なかった私。
20代になり生きることの喜びを知った。
漸く自分の中の渇きを癒すことができて、だけど今も癒せない渇きは存在していて、日々の環境、状況によって精神が変動している。
そんな時、ふと無意識にこのアンパンマンマーチを口ずさんでびっくりした。
ややこしいことをごちゃごちゃ考えて苦しんで。
でもこの歌詞はとてもシンプルで、それでいて深い。
自分が何のために生まれてきたのか。
この問いを私は本当に小さい頃から抱き続けている。
きっと少し複雑な過程環境だったからこそ抱いてしまった問で、『意味』がなければ生きられないとずっと思ってきた。
それが成長して『意味』がなくても自分が楽しければいいと思えるようになった。
でも心の中でずっとそのことに罪悪感を抱いていた。
罪の意識を一時でも忘れさせてくれる『楽しさ』だけで生きていくにはあまりにも私の人生は薄っぺらいんじゃないか。
正義とか大義とかそういうものを意識しなければいけないんじゃないか。
でも自分のために正義、大義を掲げるのはあまりにも偽善ではないか。
そもそも良心というものが私には欠けているんじゃないか。
考えれば考えるほど、心の中もゴチャゴチャ。
見返りを求めてしまう自分の卑しさに嫌悪。
それらすべてをシンプルにしてしまう、『アンパンマンマーチ』。
心が救われる。
きっと私の心のゴチャゴチャはすぐには整理できるものじゃない。
この先何年もかけて片づけていく問題。
それまでは『アンパンマンマーチ』を歌いながらシンプルに生きていきたい。
いい大人がこんなことを思うのはおかしいかもしれないけど、私もアンパンマンのようになりたいよ。
ヒーローにはなれなくても、誰かのために動ける笑顔でい続ける存在でいたい。
アンパンマンって、本当にみんなのヒーローだ。